
デジタルオーディオは完璧な精度を持つ反面、どこか機械的で均一な響きになりやすい傾向があります。アナログ機器が持つ独特の温かみや生命感は、回路内の微小な揺らぎや経年変化といった不確実性から生まれています。
THETA Audio Researchが手掛けるEntropyは、その物理的なランダム性をデジタル空間へ呼び戻すために開発されたモジュレーションエフェクトです。トラックに挿入するだけで、ヴィンテージハードウェア特有の有機的な味わいを付加できます。
プラグインの詳細
Entropyは、熱物理学における熱力学第二法則である乱雑さの増大を音響処理に応用したユニークなエフェクトです。シンプルな1画面の操作パネルから、多彩な要素を同時に揺らすことができます。本プラグインにおける主な技術的特徴と機能は以下の通りです。
- 熱揺らぎや機械的ドリフトを再現する物理シミュレーションアルゴリズムの搭載
- ピッチ、フィルター、ゲイン、ステレオイメージの4要素に対する相関的モジュレーション処理
- 長年通電されたハードウェアの部品劣化やテープの伸縮を模したカオス挙動の付加
- トラックに挿入してパラメータ調整を行うだけの直感的な操作性
- デジタル特有の完璧すぎる再現性を崩し、自然な音のニュアンスを生成する処理機構
動作環境
| 項目 | 詳細情報 |
| 対応OS | macOS |
| サポートしているプラグイン形式 | VST3, AU, AAX |
まとめ
Entropyは、デジタル環境で失われがちなアナログ特有の揺らぎと質感を自在にコントロールできる魅力的なツールです。
複雑なルーティングを組むことなく、1つのパネル上で楽曲全体や個々のパートに有機的な生々しさを加えられます。楽曲に自然な質感や深みを与えたい場面で重宝する存在となるでしょう。
