
長年にわたり多くの音楽好きの方々に愛されてきたギターブランド「フェルナンデス」について、新しい情報をもとに少しお話しできればと思います。
2025年7月9日、株式会社フェルナンデス(埼玉県戸田市)は、東京地方裁判所より正式に破産開始決定を受けました。これにより、会社を整理する手続きが本格的に動き出したわけです。経営上のことなので仕方ない部分もあるのですが、やはり注目されるのは、その大切な商標が一体どこへ行くのかという点でした。
フェルナンデスは、国産エレキギターブランドとして確固たる地位を築いてきました。著名なアーティストとのライセンス契約で知名度を高め、かつてはギター職人の養成学校まで開いていたほどです。ギターはもちろん、ベースやアンプ、エフェクターなども幅広く手掛け、製造は外部の専門業者に委託していました。
資本関係はなかったものの、深く協力し合っていた株式会社大阪フェルナンデス(大阪市北区)や全国の楽器店への販売、そしてアメリカをはじめとする海外への輸出も積極的に行い、1999年1月期には年間売上高が40億円を超えるなど、まさに輝かしい時代がありました。
商標の行方について
さて、気になる商標の行方ですが、関係者の方々のお話では、「FERNANDES」の商標の一部はすでに他社へ譲渡されているとのことです。商標ウォッチを確認してみたところ、どうやら3つほど商標が移っているようです。
具体的には、約3ヶ月前に「FERNANDES」そのものの商標が取得されています。また、フェルナンデスの代表的な技術である「Sustainer」は、約10ヶ月前に取得されていました。さらに、これも約3ヶ月前のことですが、フェルナンデスギターのオリジナルシェイプである「RAVELLE」という商標も取得されているようです。これが今後どのように活用されていくのかは、現時点ではまだ分かりません。
これらの商標を取得したのは、台湾の楽器製造会社「宏寰貿易股分有限公司」という企業で、楽器のOEMやODM生産も手掛けています。現時点で、すでにいくつかのブランドを傘下に持っており、彼らのウェブサイトを確認すると、ブランド紹介のページにはもう「フェルナンデス」の名前が加わっていました。
他にも、ロジャースやジブラルタル、ディクソンといったドラム・パーカッション関連のブランドを多く所有しているようです。また、ギターやマイクのスタンド、そしてサックスなどの管楽器のブランドも手掛けていることから、非常に多岐にわたる楽器ブランドを傘下に収めているメーカーといえるでしょう。
フェルナンデスのこれからと、バーニーの可能性
この新しい体制のもとで、フェルナンデスがこれまでのFRシリーズなど、RAVELLEも含めた過去にリリースしてきた数々のギターを新たに世に出していく可能性も考えられますし、サスティナー技術を活かした全く新しい製品が生まれるかもしれません。
会社としては別物になるため、これまでのギターに対するメーカーサポートが継続されるかは難しいかもしれません。しかし、新しいブランドとして生まれ変わり、手頃な価格帯の楽器を提供してくれるのであれば、また新たなフェルナンデスの時代が訪れるかもしれません。
日本の素晴らしいギターブランドが海外の企業に引き継がれるのは少し寂しさもありますが、再生の道があるならば、それも良いことなのかなと私自身は感じています。
ちなみに、今回の商標譲渡で「FERNANDES」や「RAVELLE」といった商標は移ってしまいましたが、「Bunny」というブランドについては、今のところどこも所有している情報がありませんでした。いわゆるギブソン系のレスポールタイプのギターなどを展開していたBunnyは、現時点では動きがありません。
以前、フェルナンデスが復活するかもしれないという記事を私が書いた際、A&Rの兵庫尚之さんが、「当時評価されたモデルを中心に作っていきたい」というお話をされていました。兵庫さんは、X JAPANのhideさんに近しい方ですので、もしかしたらこのバーニーブランドだけは手元に残し、再びhideさんのモデルを世に出す可能性もゼロではないのかもしれません。これはあくまで私の想像に過ぎませんが、そういった希望も抱いてしまうのです。
このまま上手くいけば再びフェルナンデスのギターを楽器屋で目にすることができるかもしれませんが、メンテナンス系のアイテムはどうなっていくんでしょうか。個人的には結構愛用していたので、できればこちらも再開する流れになってくれれば嬉しいです。
まだまだどうなるかは全くわからない状況ではありますが、今後も動向を見守っていきたいなと思います。
