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老舗オーディオエディタが久しぶりのメジャーアップデート!!2026年初頭に「Audacity 4」がリリースされるとの事

私たちがデジタルオーディオの世界で活動する上で、常にその存在感を発揮し続けているのが、無料の波形編集ソフトウェア「Audacity」です。

そしてこの度、2026年初頭に数年ぶりのアップデートとして「Audacity 4」がリリースされるとの事です。

しかし、その議論の中心にあったのは、ユーザーインターフェースやアイコン、特にロゴの変更に対する賛否両論でした。これは、長年親しまれてきた無料ソフトウェアが、ついに新しい時代へ踏み出す際の避けて通れない試練だったと言えるでしょう。

見た目の変化は時に戸惑いを生みますが、本当に注目すべきは、その外見の奥底で実現された機能と性能の劇的な向上です。ロゴの是非を超え、Audacityが無料とは思えないほどの高機能なツールへと進化を遂げていく事実こそ、私たちが真摯に向き合うべきポイントだと考えます。

Audacityについて

Audacityとは、世界中のクリエイターや研究者、教育機関で利用されている、オープンソースのデジタルオーディオエディタです。1999年の登場以来、その最大の魅力は「完全に無料」でありながら、基本的な録音、編集、ミキシングといった作業を網羅できる点にあります。この柔軟性とアクセス性の高さが、長きにわたり多くのユーザーに愛されてきた理由です。

無料のソフトウェアと聞くと、機能が制限されていたり、安定性に欠けたりといったイメージを持たれがちですが、Audacityはそうした常識を完全に覆します。長年にわたるコミュニティの支援と、最近では企業(Muse Group)のバックアップを得たことで、その開発速度と品質はさらに向上しています。

主に、ポッドキャスト制作、音楽のレコーディング、動画のナレーション収録、ノイズ除去、音声分析といった多岐にわたる用途で活用されており、特に「初めて音声編集に触れる」ユーザーから「手軽に高品質な作業をしたい」プロフェッショナルまで、幅広い層に対応できる懐の深さを持っています。その直感的な操作感と、細部にまでこだわった編集機能は、まさにプロ仕様のツールに匹敵すると言っても過言ではありません。

最新版で追加予定の機能

ロゴの変更が話題の中心となりがちですが、私たちが注目すべきは、最新版で搭載されるいくつかの革新的な機能群です。これらのアップデートは、これまでのAudacityの弱点を補い、プロの現場での利用にも耐えうる基盤を整備するものとなっています。

リアルタイムエフェクト処理の強化

これまでのAudacityは、エフェクトを適用する際に一度オーディオデータに処理を焼き付けてしまう「破壊編集」が基本でした。しかし、最新のアーキテクチャでは、一部のエフェクトにおいて「リアルタイム処理」に対応するようになりました。

これは、DAWにおいて般的な機能ですが、Audacityにとって大きな一歩です。エフェクトのパラメーターを変更しながら、即座にその結果を聴いて確認できるため、より迅速かつ緻密な音作りが可能になります。試行錯誤のプロセスが大幅に短縮され、クリエイティブな閃きを逃すことなく作業を進めることができるようになります。

非破壊編集へのアプローチとクリップ化の進化

完全な非破壊編集にはまだ至っていませんが、オーディオクリップの管理機能が大幅に改善されています。タイムライン上のオーディオブロックをより柔軟に移動、トリミング、そして重ねて配置することが容易になり、複雑なミキシング作業の効率が向上しました。

特に、複数のテイクを比較しながら編集するポッドキャストやボイスオーバーの制作現場において、このクリップ単位での操作性の向上は計り知れないメリットをもたらします。

これらもDAWでは一般的な機能ではありますが、それらに徐々に追いついてきているように思います。

プラグイン互換性の拡張(VST3対応)

現代のオーディオ制作環境において不可欠なプラグイン形式の一つであるVST3への対応が強化されました。これにより、サードパーティ製の高品質なリバーブ、コンプレッサー、イコライザーといったエフェクトを、より安定して、そして低遅延でAudacity内で使用することが可能になりました。

これにより、無料でありながら、世界中の著名なプラグインを活用できるプロフェッショナルな環境を構築する道が開けました。プラグインエコシステムへの積極的な参加は、Audacityの専門性を格段に高める要因となっています。

性能と安定性の劇的な向上

大規模なプロジェクトファイルの読み書き速度の向上や、マルチコアプロセッサへの最適化が図られました。

従来のAudacityでは、トラック数が増えたり、長時間のファイルを扱う際に動作が重くなる傾向がありましたが、最新版ではそのパフォーマンスが大幅に改善され、より快適でストレスのない編集体験を提供しています。安定性の向上も伴い、予期せぬクラッシュのリスクが低減され、安心して作業に集中できる環境が整いました。

UIの改善

デザインはよりモダンに、操作性はよりシンプルでありながら機能的になります。

ライトモード・ダークモードの切り替え、アクセントカラーの変更、トラックのカラーを選択可能となり、トラックごとのパラメーターや新規トラックの追加も分かりやすく、迅速に出来るようになりました。

UIのカスタマイズも柔軟になり、それらもプリセットとして保管できるようになるなど、今時のDAWと同じような快適な操作感となるのでしょう。

ユーザーの疑問に答える:Audacityの導入・使い方Q&A

Q. Audacityは本当に全て無料なのですか?

A. はい、完全に無料です。開発はオープンソースコミュニティと企業によって支えられており、機能制限や使用期間の制限は一切ありません。追加の課金要素もありませんので、安心してご利用いただけます。

Q. プロの現場でも使えますか?

A. 使用可能です。特にポッドキャストの編集、ナレーションのノイズ除去や音量調整、簡単なマスタリング作業など、波形を直接編集するタスクにおいては、プロフェッショナルなDAWに引けを取らない能力を発揮します。ただし、MIDI機能や高度な自動化機能など、音楽制作に特化した一部の機能は、専門のDAWの方が優れています。用途に応じて使い分けるのが賢明です。

Q. リアルタイムでノイズ除去はできますか?

A. リアルタイムエフェクトの機能は強化されましたが、Audacityのノイズリダクション機能(ノイズプロファイルの取得と除去)は、依然として非リアルタイム処理が基本です。これは、より正確で高品質なノイズ除去を行うための仕様です。ライブでの利用ではなく、編集段階で最高の品質を求める場合に適しています。

Q. 最新版はどこからダウンロードできますか?

A. 公式ウェブサイトから、最新のインストーラーをダウンロードすることができます。ご自身の利用しているOSに合わせた適切なファイルを選択してください。公式サイトからのダウンロードは、セキュリティの観点からも推奨されます。

まとめ

これらのことをまとめると、Audacityは今時のモダンなDAWに近い仕様のオーディオエディタへと進化するということになります。

リリースから25年と、とんでもなく長い歴史を誇るAudacityのこれからが非常に楽しみですね。

「Audacity 4」以降の開発速度は少しずつ緩やかになり、その中でさらなる進化により、洗練されたソフトウェアとなっていくのでしょう。

とりあえず2025年11月頃にベータテストがあるらしいので、興味のある人は参加してみてはいかがでしょうか。

■Audacityの入手はこちらから

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ブロガー・DTMer。シンプルなモノ・コトが好き。ここでは無料のDTMソフトウェアをメインとした情報、自身で制作した音楽素材の提供などを行っています。

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