
Zoomから発表されたLiveTrak L12nextは、12チャンネルのデジタルミキサーと14トラックのマルチトラックレコーダーを統合した次世代モデルです。前モデルであるLiveTrak L-12の基本構成を継承しながら、現代のレコーディング環境に合わせた技術的アップデートが施されています。
最大の特徴は、マスタートラックにおいて32bitフロート/96kHzでの録音に対応した点です。これにより、マスタリング工程におけるダイナミックレンジの確保が容易になり、クリッピング(音割れ)のリスクを大幅に低減する仕様となっています。個別トラックの録音に関しては、最大24bit/96kHzの解像度を維持しています。
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入力系統とプリアンプの仕様
入力セクションは、8系統のモノラルチャンネルと2系統のステレオチャンネルで構成されています。モノラルチャンネルにはXLR/TRSコンボジャックが採用されており、改良されたマイクプリアンプが搭載されています。このプリアンプは、最大+70dBのクリーンゲインと、–128 dBu EINの低ノイズフロアを実現しています。
ファンタム電源(+48V)はチャンネル1から4、および5から8のグループごとに供給可能です。また、チャンネル1と2はHi-Z接続に対応しており、ギターやベースの直接入力が可能です。その他のチャンネルには26dBのパッドスイッチが備えられており、高出力な機材の接続にも対応しています。
ミキシング機能と操作インターフェース
各チャンネルには、専用の物理エンコーダーが配置されており、ゲイン、コンプレッサー、3バンドEQ(LOW/MID/HIGH)、パン、エフェクトセンドの各パラメータを直接操作できます。各チャンネルにはボリュームレベルを示すLEDメーターが搭載されており、視認性が確保されています。
新機能として、メニュー操作や設定確認を行うためのOLEDディスプレイが採用されました。また、保存した設定を呼び出す際にフェーダーの物理的な位置を確認できる「フェーダーポジションボタン」や、内蔵のトークバックマイクが新たに追加されています。設定の保存機能としては、最大10個のシーンメモリーを本体内に記録可能です。
モニター環境と出力オプション
出力系統には、2系統のXLRメイン出力に加えて、5系統のTRSモニター出力が用意されています。このうち4つのモニター出力は、ステレオ(ヘッドフォン)またはモノラル(ライン出力)の切り替えが可能です。
各出力には独立したレベルコントロールが備わっているため、ライブパフォーマンスやスタジオレコーディングにおいて、各演奏者に個別のモニターミックスを提供できる設計となっています。内部バスには16種類のディレイおよびリバーブエフェクトが搭載されており、センド量によって各チャンネルの響きを調整できます。
レコーダーおよびオーディオインターフェース機能
本機は単体での録音機能に加え、14入力4出力のUSBオーディオインターフェースとしても動作します。USBクラスコンプライアントに対応しており、コンピュータやiOS、Androidデバイスとの接続が可能です。録音メディアにはmicroSDカード(最大1TB、SDHC/SDXC対応)を使用します。
録音機能には、パンチイン・アウト機能やオーバーダビングモードが搭載されており、効率的な多重録音をサポートしています。さらに、専用のL12nextコントロールアプリを使用することで、モバイルデバイスからのワイヤレス操作も可能です。
筐体設計と販売情報
筐体はデスク上での使用だけでなく、別売のラックマウントアダプター(RKL-12)を使用することで標準的なラックへの組み込みにも対応します。また、ズームのフットスイッチ(FS01)を接続しての操作も可能です。
LiveTrak L12nextの発売時期は2026年1月あたりを予定しており、価格は84,900円となっています。
プロフェッショナルな現場からホームスタジオまで、幅広い用途に対応するスペックを備えたデジタルミキサーとなっています。
