古くから世界中の人に広くに利用されてきた無料のオーディオ編集ソフト「Audacity」ですが、2021年7月2日にプライバシーポリシーを更新、今後は「法執行、訴訟、当局の要求に必要なデータ」についての個人情報を収集することとなったようです。
デスクトップのプライバシーに関するお知らせ(audacityteam.org)
収集する個人データに関しては以下の通りとなっています。
- OSバージョン
- IPアドレスに基づくユーザーの国
- OS名とバージョン
- CPU
- 致命的でないエラーコードとメッセージ
- BreakpadMiniDump形式のクラッシュレポート
- 法執行、訴訟、当局の要求に必要なデータ
こうして見ると、そこまで大騒ぎすることでもないような気がしますが、最後の「法執行、訴訟、当局の要求に必要なデータ」に関しては詳細が記されていない事から、あらゆる種類のデータを収集する可能性があるのではないかと指摘されています。
ちなみに、「Audacity」は2ヶ月ほど前にMuse Groupという会社に買収されたのですが、親会社がロシアを拠点としており、ロシアの法律によって今回のプライバシーポリシー更新となったようです。
データ保管に関しては米国、ロシア、および欧州経済領域のサーバーに蓄積され、IPアドレスは1日だけ間識別可能な方法で保存、その他の情報は1年間の保存となり、政府のデータ要求によってユーザーを識別出来るようにする、との事です。
また、新たな項目として、「13歳未満のユーザーにおいてはAudacityの使用を禁止する」という驚きの内容があり、これはAudacityが使用するGPLライセンス違反の指摘があります。
開発者は今回のプライバシーポリシーについて「新しいプライバシーポリシーは完全に受け入れられません!」と声明を出しています。
New privacy policy is completely unacceptable! #1213
新しい動きとして、GitHubやRedditで有志が集まって、このようなデータ収集を行わない別の独立したソフトウェアを開発するプロジェクトが始まっています。
今回の騒動で、「Audacityがスパイウェアになってしまった」と嘆く人も多いですが、気味が悪いと思った人は一度アンインストールして、今後リリースされるであろう派生型のAudacityが手に入るまでは他のオーディオエディターを使うのが良さそうですね。
情報元:https://www.macrumors.com/2021/07/05/audacity-spyware-claims-privacy-policy/
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