皆様お疲れ様です。AZU(@AZU0000)です。
私はこれまでに幾つかのギターに関連する記事を書いており、その中には「安ギター」に関する内容のものもありました。
が、しかし実は私自身はこれまで安ギターを1本も所有したことはなく、友人のものを触らせてもらっていた程度で、じっくりと検証をしたことは一度もありませんでした。
このままではこの手の記事を書く際の説得力に欠けるので、1本くらいは自分で安ギターを持っておくべきだとは思っていたのですが、1万円台とはいえ、今後使う可能性が極めて少ないものに対してお金を使うのもどうかなと思っていた矢先に「ほぼ新品」の安ギターを頂きました。
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それが今回取り上げる安ギター「BUSKER'S BTE CAR」です。
テレキャスターシェイプでキャンディアップルレッドなボディがポップですね。
ちなみにBUSKER'Sは島村楽器のショップブランドで、平均的な価格は2万円以下、中国で生産されています。
持ち主によると「ギターが弾いてみたいので買ってはみたけど、難しいのでその日にやめた」というギターを始めたばかりの人によくある話です。
という事で前置きが長くなってしまいましたが、ギターの軽いレビューと共に「安ギターって結局どうなの?」という点について私の考えを書かせていただきたいと思います。
仕様について
まずは簡単にですが仕様をまとめてみました。
- ネック:メイプル 指板:ローズウッド ボディ:ポローニァ
- フレット:22フレット ペグ:ダイキャスト ネックジョイント:ボルトオン
- コントロール:1VOL, 1TONE, 3WaySW カラー:キャンディアップルレッド
ネック材はメイプル、指板もローズウッドとオーソドックスな組み合わせですが…
ボディ材の「ポローニァ」って一体なんぞや?
という事で軽く調べてみたところ、日本名で「桐」であるとのことです。
強度は弱く、非常に軽いです。ホームセンターで売られているバルサ材と同等の軽さだといえば少しは伝わるでしょうか。
確かにこのギターはめちゃくちゃ軽いです。これだけ軽いとギターとしてどうなんだろうと思ってしまうほどです。
でも、軽いギターだと立って弾くには便利ですよね。
その他の仕様については特に特筆する点も無さそうです。
ヘッド・ネック
ヘッドの形状はオーソドックスなテレキャスヘッドです。
「BUSKER'S」のロゴ印刷がサテンフィニッシュも相まって安ギターを思わせるチープさを醸し出してはいます。
が、木工加工に粗さはなく、カモメ型のストリングスガイドも付いていてテンションも丁度いい感じです。
よくメーカーのロゴを削ってしまう人がいますが、あれって余計にかっこ悪くありません?
個人的にサテンフィニッシュは見た目があまり好きではないのですが、サラサラとした手触りは非常に弾きやすいです。
握りはテレキャスというよりはストラトに近い感じでしょうか。
加工の粗さもなく可もなく不可もない仕上がりですね。特に問題はありませんでした。
ペグ
安物ではあるものの、ロトマチック・タイプなのでトルクの調節が可能です。
これならチューニングも安定させやすいのではないでしょうか。
私のギターはロトマチックタイプのペグのトルクを少し締まり気味にしていることが多いです。
指板・フレット
指板はローズウッドで低コストの割には色味は暗めで悪くありません。
木工加工もきちんとしているので特に問題は無さそうです。
ただ、フレットについては端の部分の面取りが非常に甘く、ネックをスライドさせると手にチクチクと当たるので違和感があります。
そしてフレット表面の研磨も甘いようで、弦をチョーキング、ビブラートさせるとコスコスと擦れる音が目立ちます。
このままだと違和感だけではなく弦の寿命にも関わってくるので対策が必要です。
ピックアップ・ブリッジ・サウンド
フロントはテレキャス特有のリップスティックタイプのシングルコイルです。
個人的にはテレキャスはこれじゃないと違和感があるので非常に嬉しい仕様ですね。
リアも同じくシングルコイル、そしてテレキャス特有のブリッジです。
慣れるまでは弾きにくい形状のブリッジではありますが、見た目の安定感は半端ないですね。
ペグがロトマチックタイプなので、チューニングの精度は思っていたよりもいい感じです。
そして肝心のサウンドは…
悪くはないのですが、期待していたテレキャスサウンドと言うよりはストラトに近いです。
良い意味で言えばクセのない扱いやすい音なので、ジャンルを問わず使えるものであるという印象です。
ですが、歪ませるとノイズが目立ちます。私が普段弾いているP-PROJECTのストラトだと同じ設定でもノイズは全く出ませんので、ノイズ対策に関しては少し弱いのではないかと。
まあ、アルミテープで一手間加えれば大丈夫そうな程度のものなので、そこまで気にする必要も無さそうな気はします。
手を加える点
思っていたよりも品質はかなり良かったのですが、やはり低コストで作られたものなので幾つかの問題点がありました。
が、致命的なものではなく、少し手を加えるだけで解決できそうなので、以下にその解決方法を軽く挙げてみますね。
- ヘッド・ネックがチープ→ラッカー塗装で飴色に
- フレット加工の粗さ→ヤスリで面取り、コンパウンドで研磨など
- ピックアップのノイズ→アルミテープや導電塗料でシールディング
サテンフィニッシュのネックやヘッドについてはそこまで問題にする必要もありませんが、どうしてもチープなのは嫌だという人はホームセンターでクリアラッカーが売っているので、それで飴色に仕上げれば解決です。
フレット加工についても同じくダイヤモンドヤスリやコンパウンドを駆使して粗い部分をキレイにすれば滑らかになります。
ノイズ対策についてはピックガードやキャビティ内をアルミテープや導電塗料でシールディングすればかなり軽減できるはずです。
これらの必要なものについてはホームセンターと100均で揃うので、手先が器用な人は是非挑戦してみてください。
終わりに
いくつか気になる点はありつつも、平均価格が15,000円ほどのものとしては驚くほどクオリティが高かったというのが私の感想です。
軽いのに生鳴りもしっかりしているので、練習用に最適な一本となりそうです。
ですが個人的な考えとしては、特に新品にこだわらないのであれば、ヤフオクで程度の良い中古のメーカー製を手に入れた方が良さそうな気がします。
15,000円の予算があれば、中古市場でそれなりのものが手に入るので、わざわざ安ギターを買うまでもないというのが私の考えです。
手を加えれば良くなるのは確かにそうですが、それに関しては中古のギターも同じことなので、どうせなら程度の良い中古の個体をしっかりメンテナンスする方がメリットが大きいと思うのですがいかがでしょうか。
ですが「それが結論であれば安ギターを選ぶのは間違いなのか?」と言えばそれも違います。
私はあくまで個人的にベターな選択肢を選んでいるだけに過ぎず、結局はそのギターに対してどれくらいの愛があるかというのが一番大事な要素だと思うのですよ。
他の方のブログで安ギターを改造、レリック加工している記事を見ると私もワクワクしますし、それによって愛着が湧いて長く愛用されていくのであれば、それはとても幸せなことではないでしょうか。
手のかかる子ほど可愛いと言いますしね。
私はせっかくいただいたギターなので、フレットは少し手を加えますが、それ以外はこのままで練習用に愛用しようかなと思います。
という事で長くなりましたが今回もお付き合い頂きましてありがとうございます。
ピックガードを交換した記事もあるのでそちらも良ければご覧ください。
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