Universal Audio(ユニバーサル・オーディオ)が提供するDAW、「LUNA Recording System」は、リリース以来、アナログレコーディングスタジオのサウンドとワークフローをソフトウェアで再現するという独自のコンセプトで注目を集めてきました。そのLUNAが、さらに進化を遂げたのが最新バージョンの「LUNA 2.0」です。
LUNA 2.0の最も大きな特徴は、AI(人工知能)を活用した新しいスマートツールと、クリエイターの要求に応えるためのプロフェッショナルなワークフロー機能が大幅に強化された点です。特に、Windowsへの正式対応(Mac版と共に無料提供)を果たし、より多くのユーザーがこの画期的なDAWを体験できるようになりました。
LUNA 2.0は、アナログコンソールの持つ温かみのあるサウンドエンジンはそのままに、煩雑な操作をAIに任せることで、音楽家が純粋な創造活動に集中できる環境を提供しています。これは、レコーディング、エディット、ミキシングといった各工程で、作業の常識を覆す革新的なアップデートと言えるでしょう。
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LUNA 2.0の革新的な AI 搭載スマート機能
LUNA 2.0の進化の核心は、音楽制作をサポートする「アシスタント」としての役割を強化したAIツールにあります。これらの機能は、従来のDAW作業に付き物だった手動での設定や調整の多くを自動化し、クリエイティブな流れを止めません。
AI-Powered Voice Control(音声コントロール)
LUNA 2.0では、特定のApple Silicon搭載Mac環境において、**Voice Control(音声コントロール)**がプレビュー機能として搭載されました。これは、マイクや楽器の前にいる状態から、声でLUNAの録音開始・停止を操作できるという画期的な機能です。
ギタリストがアンプの前から、ドラマーがキットの前から、手を使わずに録音を開始できるため、演奏とレコーディングの間の物理的な隔たりがなくなります。これは、ミュージシャンが最高のテイクを逃さずにキャプチャするための強力な助けとなります。
Smart Tempo Tools(スマートテンポツール)
テンポに関する作業も、LUNA 2.0で大きく効率化されました。
- Tempo Listen(テンポ・リスン): クリックなしで自由に演奏した音源をLUNAが聴き取り、自動でメトロノームのテンポを演奏に合わせてくれます。
- Tempo Detection(テンポ検出): 外部からインポートしたオーディオループのテンポを瞬時に検出し、セッションテンポに正確にロックします。
- Extract Tempo(テンポ抽出): 演奏の人間的な揺らぎやテンポ変化を読み取り、柔軟なテンポマップを生成します。
これらのスマートテンポツールにより、テンポ管理の煩雑さが解消され、自由なアイデアから音楽を構築するプロセスがスムーズになります。
Instrument Detection(楽器検出)
LUNA 2.0は、トラックに入力された音源が「ドラム」「ギター」「ボーカル」などのどの楽器であるかを自動で識別し、トラックに適切な色分けやアイコンを付与します。セッションを視覚的に整理する手間が軽減され、大規模なプロジェクトでも迷うことなく作業を進められます。
プロのワークフローを支える LUNA 2.0 の重要な機能強化
LUNAは、無料版でありながらプロフェッショナルな現場で求められる高度な機能も搭載しています。LUNA 2.0のアップデートでは、サードパーティ製プラグインや外部機材との連携が大幅に改善されました。
ARA Support によるボーカル処理の革新
LUNA 2.0は、ARA(Audio Random Access)規格をサポートしました。
ユーザーの疑問に答える:ARAサポートで何ができるのか?
ARAサポートとは、Celemony Melodyneのようなピッチ補正ツールを、オーディオを書き出したり、外部アプリを立ち上げたりすることなく、LUNAのタイムライン内で直接、かつ深く統合された形で使用できる機能です。これにより、ボーカルのピッチやタイミングの修正作業が、これまでにないほど高速かつ直感的になりました。プロフェッショナルなボーカルプロダクションにおいて、作業効率は劇的に向上します。
Hardware Inserts(ハードウェアインサート)
ミキシングにアウトボード(外部のアナログハードウェア機材)を使用するプロデューサーにとって、LUNA 2.0のHardware Inserts機能は待望のアップデートです。
LUNAがルーティングと遅延補正(ディレイ・コンペンセーション)を自動で処理してくれるため、お気に入りのコンプレッサーやEQなどのアウトボードをミックスに組み込む際の手間が一切ありません。さらに、その設定をプリセットとして保存し、瞬時にリコール(再呼び出し)することも可能です。
Volt 876 インターフェイスとの統合
Universal Audioのオーディオインターフェイス「Volt 876」との連携も深まりました。LUNA 2.0では、Volt 876のフロントパネル設定の完全なセッションリコールや、アシスト付きのオートゲイン機能、超低遅延のキューミックス設定などがLUNA内からシームレスに行えます。
LUNA Pro V2 の登場:アナログサウンドの深化
LUNA 2.0の登場に伴い、アナログコンソールエミュレーションなどの強力な拡張機能を含む有料パッケージが「LUNA Pro V2」としてリニューアルされました。
LUNA Pro V2では、以下の伝説的なアナログサウンドを再現する「Extension」や、高度なUADプラグイン群が追加されます。これらは、ミキシングバスやマスタートラックにインサートすることで、ミックス全体に深みとパンチを与えます。
- API Vision Console Channel Strip Extension
- API 2500 Bus Compressor Extension
- API Summing Extension
- Studer A800 Tape Recorder Extension
- Ampex ATR-102 Master Tape Extension
LUNAの核となるアナログエンジン: LUNAは、これらのExtensionを使わずとも、標準でアナログテープマシン「Oxide Tape Extension」と「無限のトラック数」を提供しており、そのサウンドの質の高さは無料版でも体験可能です。LUNA Pro V2は、そのアナログのポテンシャルを極限まで引き上げ、最高峰のスタジオサウンドを目指すクリエイターのための選択肢と言えます。
LUNA 2.0 の動作環境とプラグイン互換性
LUNA 2.0が提供する機能を利用するためには、システム要件とプラグイン形式を理解しておくことが重要です。
動作環境(対応OS)
| 項目 | 詳細 | 補足 |
| 対応OS | macOS | 最新のサポートされているmacOSバージョン |
| Windows | 最新のサポートされているWindowsバージョン | |
| 認証 | iLokアカウント | iLok Cloud認証に対応。iLok USBキーは必須ではありません。 |
対応プラグイン形式
LUNAは、無料版、LUNA Pro V2版ともに、サードパーティ製プラグインに対応しています。
| プラグインの種類 | 形式 | 補足 |
| LUNA Extensions | 独自形式 | LUNAのミキサーに組み込まれるUA独自の拡張機能。 |
| サードパーティ製 | VST3 | Windows/Macで使用可能な汎用的なプラグイン形式。 |
| Audio Unit (AU) | Macで使用可能な汎用的なプラグイン形式。 |
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