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【ミックス・マスタリング】まだマキシマイザー使ってるの?

2020年7月13日




【この記事は2015年にSymphonical Rainにて掲載していた内容を修正無しで転載したものとなっております】

皆様お疲れ様です。AZU(@AZU0000)です。

DTMでミックス、マスタリングをされている方なら「マキシマイザー」は欠かすことのできないプラグインのひとつですよね。代表格で言えばWAVESの「L1」や「L3」などがそれにあたります。

これがあれば曲の音圧、音量をグッと引き上げることができるのでこれまでの音圧戦争においては絶大な戦力として愛用されています。

ですが本当に「マキシマイザー」は必要なのでしょうか?

そもそもこうまでして音圧を稼がないといけないものなのでしょうか?

今回はマキシマイザーについてとその必要性について少し書かせていただきます。

マキシマイザーって?

コンプレッサーの一種としての認識で問題ありませんが、コンプレッサーやリミッターとは使い方が違います。

コンプレッサーはダイナミックレンジを圧縮する事で音を整え、リミッターは設定した音量から上をカットするものです。マキシマイザーは音量レベルを一定にして音圧を上げることに特化した、マスタリングに向けたエフェクトです。

コンプレッサーでも音圧を上げることは可能ですが、ミックスの雰囲気を出来る限り変えずに音圧を稼ぐにはマキシマイザーの方が向いています。

 

マスタリングの役割

基本的には楽曲の仕上げの作業として「使用するメディアにとって最適な状態にすること」です。 決して音圧を稼ぎまくることがメインの作業ではありません。

映像作品やCDなどにおいては、それぞれの曲の音量や質感を統一させたり、長時間のリスニングにも耳が疲れない音を作ったりとさまざまです。

90年代後半以降は音圧戦争が盛んになり、マスタリングでいかに音圧を上げるかという点をメインとしている感はありましたが、本来の役割は音源に磨きをかける最終作業であると言えます。

まあ、そういう点では「音圧を上げる」というのも磨きをかけるひとつの方法なので否定はできませんね。

 

マキシマイザーを使うメリット

まずは単純に「音圧が上がる」です。有線やラジオ、その他のメディアで他のアーティストの曲と連続して曲が流れる際には「同じ音量設定の中でも音圧があれば他の曲よりも大きく聴こえる」というものです。やはり少しでも多くの人の耳に残って欲しいというところから、どうしても音圧があればそれだけ有利になるということですね。

音量はともかく「その楽曲自体の音の迫力が増す」ということもあります。ハードな曲であれば、出来るだけガツンとした音作りのほうが聴いていて気持ちのいいものですが、マキシマイザーを用いてのマスタリングではパートごとの音の大きさに差が無くなるので全体的に音が持ち上がり、その結果迫力のある音になります。

そして「ある意味聴きやすくなる」場合もあります。曲によってはダイナミクスに差があるものでも、マキシマイザーによって音量がある程度均一化されるため、ダイナミックレンジによっては耳障りな音もあるのですが、それを解消してくれるので、聴きやすくなるということです。

 

マキシマイザーのデメリット

まずは「聴いてて耳が痛い、疲れる」です。全体的に音が持ち上がった状態なのでとにかくうるさいです。迫力がある反面、この状態になるのは避けようがありません。アルバム一枚が全部このような状態であれば通して聴くのも結構しんどいかもしれませんね。

「音が歪む」こともあります。全体的に音を押し上げて音圧を稼ぐので原音にない歪みを発生させてしまいます。最近のCDだとよく聴くと音が歪んでしまっているものは特に珍しくはありません。

「ダイナミクス(抑揚)が無くなる」のは仕方がありません。マキシマイザーの役割は音の均一化による音圧の底上げなのですから。だからクラシックで用いられることはまずありません。クラシックはそのダイナミクスが最大のウリなのです。

 

結局マキシマイザーっている子なん?いらん子なん?

「うん、いらないよ?」とだけ言うのも無責任な感じがするので、ある程度の基準を設けてみますね。

まずは「リファレンスCD」なるものを用意します。ミックスやマスタリングにどっぷりと浸かっている人にはお馴染みなのですが、いわゆる「自分の音作りにおいて基準になるCDや音源」です。自分にとって理想であるミックスや音作りをしているアーティストのCDがこれにあたります。

今回はマスタリングなので「1990年代中期~後期」あたりの音源で、自分の手がけるジャンルに近いものであればOKです。

なぜ「1990年代中期~後期」なのかと言えば、私の基準として最低限の音圧はその頃くらいで十分だという判断からです。2000年代以降はかなり音圧があり、音圧戦争のまっただ中なものが多いのですよ。

そしてマスタリングではイコライザー、コンプ、リミッターをメインに使い、適度に音圧を稼ぎます。その際にマキシマイザーは一切使用しません。マキシマイザー抜きでマキシマイザーほどの音圧を稼ぐのは相当厳しいと思うので、適度に音圧を稼ぎ、聴きやすい形に仕上げる事をメインとします。

そして出来上がった2MIXと、用意したリファレンスCDを聴き比べ、音圧、音量共に特に差がないと感じた場合は「マキシマイザーを使う必要はない」と判断しても問題ありません。

理由は簡単で、それくらいの音圧が確保できているのであれば十分商品、作品として問題がないからです。「少し音小さいかも」と思う方もいるかもしれませんが、もともとはこんなものだったのです。今の音源の音が大きすぎるだけなのです。少し物足りなければ手元で音量を上げればいいだけのことですから。

だから他の音源に比べて自分の曲が少し音が小さいからといって不安にならないで下さい。それよりも聴きやすく心地の良い音作りのほうが数倍大事なのです。

 

終わりに

ここまで書いておいて無責任な話なのですが、私個人はどちらの方がいいのかは判断できません。なぜなら両方共にそれぞれの良さを見出しているからです。

曲によってはどうしても音圧やパワーが欲しい時もありますし、ダイナミクスやいい音を追求したい時もあります。クライアントによって好みがあるので私だけで判断できない時もあるので、どちらかを選ぶというのはとても難しいです。

ですが、何事もバランスが大事だと言うのが私の持論でもあります。なので私の基本的なマスタリングの方針は「それぞれの真ん中くらい」をポリシーに音作りをしています。この辺りはエンジニアによって考え方は違いますよね。音圧稼ぎまくりなエンジニアさんでも見事な仕上がりにする人もいらっしゃるので。

音圧に関してはセミナーもいいですが、最近はネット上にいくらでも情報が転がっているので、まずはそれを参考に試行錯誤していったほうが良いかもしれません。

そして何よりまずは自分の耳と感性を信じてあげるのが一番だと私は思います。

それでは今回もお付き合い頂きましてありがとうございます。

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AZU

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