皆様お疲れ様です。AZU(@AZU0000)です。
音楽を作る上で欠かせないのが「作詞」「作曲」「編曲」の3つのプロセス。特に歌モノの場合、この3つは密接に関係し、どれが欠けても完成しません。商業音楽の世界では分業が一般的ですが、個人制作ではすべてを一人で手がけるケースも少なくありません。
その中で「作詞」だけが簡単だと思われがちですが、本当にそうでしょうか?今回は、作詞の難しさと奥深さについて掘り下げていきます。
作詞は簡単?—一見シンプルに見える理由
結論から言うと、作詞は「ある意味で簡単」です。
作曲には最低限の音楽理論や、メロディを生み出す感覚が必要です。また、近年ではアレンジのスキルも求められるようになり、より複雑な作業になっています。
編曲(アレンジ)はさらに専門性が高く、楽器の知識や音楽理論、膨大なサウンドの引き出しが必要になります。トレンドのサウンドを意識しながら、メロディを最大限に引き立てる能力も問われます。
その点、作詞は機材も不要で、ペンと紙、PCさえあれば始められます。音楽理論の知識も必須ではありません。こうした理由から「作詞は簡単」と思われがちですが、実際にはそんなに甘い話ではありません。
「いい歌詞」を書くのはむしろ苦行
単にメロディに言葉を当てはめるだけなら、それほど難しくありません。しかし、心に響く「いい歌詞」を書くとなると、話は別です。
作詞の難しさ
- 限られた文字数の中でメッセージを伝える
メロディの制約があるため、自由に文章を書くわけにはいきません。韻やリズム、発音の流れを考えながら、最適な言葉を選ぶ必要があります。 - 世界観の構築
曲のテーマに沿った言葉選びが求められます。特にアニメやゲームの主題歌などでは、作品の世界観を損なわず、かつリスナーの心に刺さる表現が不可欠です。 - リスナーの共感を得る
日本のリスナーは歌詞を重視する傾向が強く、特に女性は共感を求めることが多いです。共感を得られる歌詞を書けるかどうかが、作詞家の実力を左右します。 - 言葉の引き出しの豊富さ
「伝えたい内容は決まっているのに、メロディにはまる言葉が見つからない!」という場面は多々あります。同じ意味でも、さまざまな言い回しを持っていることが重要です。
作詞・作曲・編曲を一人で行う人にとって、作詞の作業は最後にやってくるケースが多いです。曲が完成した後、最適な言葉を探す苦しみは計り知れません。
作詞家に必要なツールと発想法
作詞をする上で、以下のようなツールや発想法が役立ちます。
1. 紙とペン
とにかく書くことが基本。無印のメモパッドなど手軽なノートに、思いつく限りの言葉を書き留め、後で整理すると効率的です。
2. PC
リサーチ、詞の保存、クライアントとのやり取りにはPCが必須。仮歌を録る場合は、ある程度のスペック(Core i5以上、メモリ8GB以上)があると便利です。
3. 辞書・資料
類語辞典や詩集、小説などを活用すると表現の幅が広がります。また、映画やアートもインスピレーションの源になります。
4. AIの活用
近年ではAIを使った作詞補助ツールも登場しています。AIが生成した歌詞をヒントに、自分なりの表現を肉付けするのも一つの手です。
まとめ:作詞は奥が深い
作詞は一見シンプルに見えますが、「いい歌詞」を書こうとすると、作曲や編曲とはまた違った難しさがあります。
優れた作詞家は、言葉の使い方だけでなく、メロディへのフィット感、曲の世界観の表現、リスナーへの訴求力を持っています。作詞の奥深さを知ると、その重要性がより実感できるはずです。
結局のところ、作詞・作曲・編曲のどれが簡単かという話ではなく、それぞれに異なるスキルが求められるということ。作詞家の仕事を知ることで、より深く音楽を楽しめるのではないでしょうか?
この記事は2015年6月19日に公開したものを修正、再度新規記事として投稿したものとなっています。