バンドにとって一番重要なのは「長期的に安定した活動を継続すること」で、その中で積み上げた音楽性やパフォーマンスによって歴史やブランド価値が生まれてきます。
ですが、さまざまな原因により「解散」の道を選ぶバンドも星の数ほどあると思います。
よくあるものとして「音楽性の違い」、「お金」、「メンバーの人間関係」などがあり、元バンドマンの私も挙げられる原因の多くを経験してきました。
ですが、バンドというものはよほどのことでもない限り、解散という道を選ばずに継続していく事が重要です。
メンバーが足りないのであればサポートを入れる、ユニットという形を取る、オリジナルメンバーがいなくなっても形を整えられるなら活動は継続するべきです。
今回は「バンドは解散させちゃダメ」というテーマで、その理由やリスクなどについて書いていきます。
せっかく頑張ったのにまた無名に逆戻り
例えば数年間バンドをやってきて、ライブハウスのノルマはギリギリかちょっと足りない、CDはライブ後にかろうじて数枚売れる程度のバンドであったとしましょう。
「頑張ってやってみたけど売れないから解散しよっか?」
疲れ果ててしまった…と言われると私も気持ちが分かる側なので何とも複雑なのですが、その場ですぐに決断するのはやめておいた方がいいです。
精神的に疲れている時に正常な判断は難しいので、一旦家に帰ってから時間をかけて結論を出してみてください。
バンドを解散させてしまったら雀の涙ほどでもあった知名度や実績が無くなってしまい、またすべての活動がゼロからのスタートになってしまいます。
バンド名、メンバー、曲、ウェブサイト、SNS、アー写などの宣材も作り直し、やり直しになってしまうので、再度活動するまでの時間のロスも相当なものとなってしまいます。
「元○○○の○○○が新バンド結成!!これは要チェック!!」
こんなものはある程度有名にならないと話題にすらなりません。例えそうであったとしても、せいぜいネットか雑誌の片隅にしか取り上げてもらえないでしょう。
たとえドームクラスのキャパシティでライブをやっていたバンドのメンバーであっても、新しい活動ではもう一度そこまでたどり着くのは難しいはずです。
バンドが築き上げてきたものは全て「資産」であり「歴史」である
少し繰り返しな内容になってしまいますが、解散するまでに作り上げてきたバンド名、メンバー、曲、ウェブサイト、SNS、アー写などの宣材というのは間違いなく「資産」です。
自身やメンバーが知恵と力を合わせ、時間をかけてきたからこそ作り上げることができたものです。
バンドが解散してしまえば、その資産は曲(メンバーの権利にもよる)くらいしか残りません。実績に関しては現在進行形ではなくなるので、よほどの大物でもない限りは効果は薄いと思ってください。
メンバーによって差し替えが必要になってきますが、資産自体はそのまま使えますし、さらに積み重ねていけるのでメリットが大きいと言えます。
また、バンドの活動期間は「歴史」であり、長ければそれだけバンド自体に深みが出てきます。
活動期間の短い、実績も少ないバンドをいくつも作っては潰すよりも、ひとつのバンドをしっかりと運営していく方がライブハウスや関係者とのコネも作りやすくなります。
ブッキングでのライブでもキャリアの長いバンドの方が何かと有利です。
「資産」、「歴史」、「ブランド」はバンド運営に欠かせないものなので、ぜひ大事にしてください。
終わりに
こう言った記事を書いた理由として、知人のバンドマンがこんな感じでものすごくもったいないなと感じたからです。
バンド運営や演奏においても割りと優秀な方なのですが、数年間活動していい感じになってきたところで解散、新しいバンドを組んで一からやり直すというのを何度も見てきました。
コネがあるので、ライブハウスや関係者とは色々といい感じなのですが、新しいバンドはどうしても活動までに時間がかかります。そして全ての新しいバンドが無事に活動開始に至るというわけではありません。
そのリスクを考えると、たとえメンバーが自分一人になったとしても、バンドを解散させずに新しいメンバーを入れて活動を継続した方が絶対に有利です。
それなら必要な作業はウェブサイトやSNSの写真を入れ替えるくらいで、曲は新しいものが出来るまでは今までのものをやればいいし、メンバーチェンジの経歴もバンドの歴史の一つとなります。
固定メンバーでやるのが嫌になったのであれば、バンド名をプロジェクトとして捉えて、自分以外のメンバーは流動的に変わっていく形を取れば少しは楽になるかと思います。
バンドマンの皆様には是非とも息の長いバンドでじっくりと頑張って頂きたいなと思います。
「継続は力なり」ですよ!!
それでは今回もお付き合い頂きましてありがとうございました。