年々使用料を取り立てる場所を拡大しつつあるみんな大好きジャスラックですが、この度、PCやスマートフォンを私的録音録画補償金制度の対象にするための決議書を文化庁に提出したとの事です。
https://www.jasrac.or.jp/release/19/190625_cisac.html
分かりやすく言うと、「みんながスマホやPCに音楽入れるか分からないけど、とりあえず本体代に上乗せする形で強制的にお金もらうね♡」という感じでしょうか。
この件については以前から言われていたので、今回はジャスラックが本格的に動いてきたという事になります。
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何でスマホとかPCからお金取るの?
簡単に言えば、今の時代は映像も音楽もデジタルデータで、オリジナルデータに対して劣化させることなくコピーし放題だからです。
例えばダウンロード販売で購入した音楽データ、レンタルしたCDからリッピングしたデータ、この場で言うのも憚られるのですが、不正な経路で入手したデータを保存、利用するためには何が必要か…PC、スマホ、ハードディスクということになります。
それならば今後そうしたデータの保存先になるものに対して補償金を徴収して、著作権を保有している人物、団体の利益につなげるのが目的なのだと思います。
っていうか既にお金取られてるものってあったりするの?
ジャスラックのウェブサイトから拝借した資料によりますと、上記のメディアから私的録音録画補償金を徴収しているようです。
対象になっている機器で普段から使われているものといえば、CD、DVD、Blue-rayくらいでしょうか。
対象外の項目(赤線で囲われている所)を見てみると、PC、スマートフォン、タブレット、ポータブルオーディオなど、皆さんが現在の生活においてかなり使用頻度の高いものが多く含まれていますね。
見ての通り、ここを抑えることが出来ればジャスラックとしてはかなり大きな収益化を図れます。
正にジャスラックにとって「手付かずの宝の山」と言った所でしょうか。
無理があるし考え方が時代遅れ
CDの売上も全盛期に比べると大幅に減ってきているだけではなく、これからの時代はますます定額の音楽配信サービスなどが主流になっていきます。
私のようなCD世代真っ只中を生きてきたオッサンですら音楽はSpotify、映像コンテンツはアマゾンプライムを利用しているのですから。
となると、ジャスラックが保証金の対象にしている製品からの徴収額もかなり減ってきているのだと容易に想像できます。
ですが、PC、スマホ、ハードディスクに関しては汎用性が高く、「音楽や映像メディアだけ」を記録する場所とは言い難いですし、その全てから徴収するというのは少し乱暴な考えだと思うのは私だけですかね。
音楽や映像データを全く扱うことのない「仕事用」のPCやスマホにも保証金が上乗せされるとしたら…ちょっとタチが悪いと思いませんか?
問題なさそうなのは、音楽を再生させる明確な目的のある「オーディオプレーヤー全般」くらいかなと。
繰り返しになりますが、今後はますます配信ベースでコンテンツを消費していく時代になっていきます。
その中で未だにハードウェアからお金を取ろうとしているジャスラックの考え方の古さ、時代遅れ加減に少し呆れてしまいますし、これからの時代は配信しているプラットフォームなどから広く薄く徴収するようなシステム、または自身でそうしたコンテンツを立ち上げるのが正しいあり方なのではないでしょうか。
終わりに
こうして何度もジャスラックのことを取り上げていると最後はいつも同じことを書いているような気がしますが、結局はジャスラックの運営に不透明な部分が多いから何をするにも叩かれるんだと思います。
著作権者に対して支払われる使用料についての詳細、ジャスラック側の取り分などをきっちりと明瞭にすると言った点において問題は山積みですし、このまま何からでもお金を取ることばかり考えてると、「結局はジャスラック(主に偉い人たち)が金欲しいだけやん」と世間から叩かれても仕方ない気がします。
日本は先進国における補償金の割合がかなり低いのは事実です(ドイツは10%、日本は0.013%)。
ですがその原因はエンドユーザーではなく、著作権や使用料の徴収に説得力を持たせることが出来ず、いつまでも古い考えで前に進めてこれなかったジャスラック側にも大きな責任があるのではないでしょうか。
私個人は著作権は守られるべきだと思いますし、それに見合った対価が支払われるのは当然という考えです。
ただ、その権利を守る団体がこんな事では今後も不安しかありません。
まずは信頼される組織、団体になってから先進諸国のように制度を整えていって欲しいですね。