DTM(デスクトップミュージック)は、パソコンやソフトウェアを使って音楽を作る新しい創作スタイルとして、多くの人に親しまれています。しかし、DTMを始める際に直面するのが「どのソフトを使うべきか?」という悩み。選択肢が多すぎて、どれが自分に合っているのか分からない方も多いでしょう。
そんな方にオススメしたいのが「ACID PRO」です。初心者でも扱いやすく、プロ仕様の機能を備えたACID PROは、DTMの世界にスムーズに飛び込むための最適なツール。この記事では、ACID PROの基本情報から、実際に使用する際の魅力や気になるポイントまで、徹底的に解説します。
現在は「Samplitude」で有名なドイツを拠点としたソフトウェアメーカーであるMAGIX社によって開発が進められており、最新バージョンは「ACID PRO 11」、また、ビギナー向けの製品として「ACID Music Studio 11」となっています。
ACIDってどんなソフトなの?
1998年に米Sonic Foundry社から発売された音楽制作ソフトなのですが、当時の他のソフトとは違うのが、「MIDIで打ち込むソフトではない」と言う所です。
アシッダイズされた専用のオーディオデータ(WAV、MP3など)をデータを画面上にドラッグ・アンド・ドロップして曲を作っていく何とも異色なものでした。
アシッダイズされたデータはテンポを変更しても音程が変わること無く自由に扱えるので、音楽の知識がない人でもセンス次第で面白い曲が作れると言った何とも変わったものです。
現在のACIDはMIDIに対応しており、オーディオデータを扱うだけではなく、他のDAWソフトと同じく打ち込みも可能です。
ACID PRO11では64ビット、VST3にも対応するので、さまざまなサードパーティーからリリースされているプラグインにも対応しています。
ACID PROの魅力を徹底解剖
1. 直感的なループベース作曲
ACID PROの一番の強みは、ループ音源を使った直感的な作曲スタイル。あらかじめ用意されたループ素材をタイムライン上に配置するだけで、簡単に楽曲を組み立てられます。
- テンポ自動調整機能
異なるテンポのループ音源をドラッグ&ドロップするだけで自動的に同期され、編集がスムーズ。 - キー(音階)の自動調整機能
音楽理論に詳しくなくても、自然な響きを持つメロディやハーモニーを簡単に作成可能。
こうした機能により、初心者でも短期間で楽曲を完成させることができます。
2. 豊富なプロ仕様の編集機能
ACID PROは直感的な操作だけでなく、プロのニーズにも応える多彩な編集機能を備えています。
- マルチトラック録音
複数の楽器や音声を同時に録音できるため、バンドのデモ制作やナレーション録音にも対応。 - MIDI編集機能
細かい音符の調整やエフェクトの適用も可能で、シンセサイザーの音色を自由にカスタマイズできます。 - 高精度なオーディオ編集機能
波形を細部まで編集し、リバーブやイコライザーなどのエフェクトを簡単に適用。
3. 圧倒的なコストパフォーマンス
ACID PROは、他のDAW(Digital Audio Workstation)と比較して購入価格が手頃。それにも関わらず、以下の付加価値がついてきます:
- 数千種類のループ音源が付属:すぐに制作を始められる環境が整っています。
- 多数のプラグインが付属:BrainworxやiZotopeなどの優れたミックス、マスタリングプラグインが揃っています。
- アップグレードプログラム:定期的な機能追加や改善が行われており、長期的に使えるソフトウェア。
- 高い拡張性:VSTプラグイン対応により、サードパーティー製エフェクトや音源を簡単に導入可能。
ACID PROでできること:実際の使用例
- ビートメイキング(ヒップホップ、EDM)
テンポ調整機能や高品質なループ音源を活用して、短時間で完成度の高いビートを制作可能。 - YouTube動画のBGM制作
YouTube用の音楽や効果音を簡単に作成。特にテンポ調整機能が動画編集者にとって便利です。 - ゲームや映画のBGM作り
MIDI編集機能を駆使して、映画の感動的なシーンやゲームのダイナミックなBGMを制作可能。
終わりに
ざっと書いてみましたがACIDについてはこんな感じです。
私の場合は打ち込み以外のすべての作業においてACIDを使っていますが、バージョン6以降は本当に使いやすいソフトになったと思っています。
DAWベースでの音楽制作は便利にはなりましたが、やはり操作が難しい物が多く、初心者にとってはインストールして起動させたはいいものの、まったく使い方が分からずそのまま…と言った人もいるのではないでしょうか?
その点ACIDは使い方も簡単で、しかも本格的な制作にまで対応できるので、他のDAWでつまづいてしまった人は一度ACIDを試してみて欲しいと思います。
価格も他のDAWに比べるとかなり安い上に、仕事用としても十分扱えるレベルのスペックなので非常にオススメです。
音楽制作においてもっとも大事なのは「どんなソフトを使っているのか」ではなく「自分にとってどのソフトが使いやすいか」です。
アイデアを具現化するのに一番近道になるDAW選びが重要になってきます。
是非みなさんにもACIDの良さ、使いやすさを実感して貰えたらいいな、と思います。