音楽制作をする際に必要となるDAWソフト。人気どころで言えば「ProTools」や「CUBASE」がありますよね。
Macユーザーだと「LOGIC」も人気があります。
最近では「STUDIO ONE」などもユーザーが急激に増えているのではないでしょうか。
STUDIO ONEは私も使い始めています。まだ慣れていませんが良いソフトですね。
数多くあるDAWですが、その中でも私は敢えて「ACID」をオススメします。
現在は「Samplitude」で有名なドイツを拠点としたソフトウェアメーカーであるMAGIX社によって開発が進められており、最新バージョンは2018年リリースの「ACID PRO10」、また、ビギナー向けの製品として「ACID Music Studio 11」となっています。
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ACIDってどんなソフトなの?
1998年に米Sonic Foundry社から発売された音楽制作ソフトなのですが、当時の他のソフトとは違うのが、「MIDIで打ち込むソフトではない」と言う所です。
アシッダイズされた専用のオーディオデータ(WAV、MP3など)をデータを画面上にドラッグ・アンド・ドロップして曲を作っていく何とも異色なものでした。
アシッダイズされたデータはテンポを変更しても音程が変わること無く自由に扱えるので、音楽の知識がない人でもセンス次第で面白い曲が作れると言った何とも変わったものです。
現在のACIDは画像のようにMIDIに対応しており、打ち込みも可能です。
ACID PRO10では64ビット、VST3にも対応するので、今後さまざまなサードパーティーからリリースされるプラグインにもバッチリ対応可能です。
どれくらいのクオリティで曲が作れるの?
「お仕事で使えるくらいですよ?」と言っても伝わりにくいと思うので、実際に私が作った曲を聴いて頂きましょう。
私のスタイルとして、基本的に打ち込みはFL STUDIOなのですが、それ以外の録音、ミックス、マスタリングなどのオーディオ編集は音楽素材としてリリース、依頼されて制作した音源の最終作業まで全てACIDのみで完結しています。
結構前の曲ですが、このくらいであれば問題なく作れます。
というかこれ以上のものも余裕で作れてしまうので、クオリティ面で心配している人は安心してくださいね。
ACIDの良いところ
ループ曲制作に強い
元々はループシーケンサーに特化したソフトなので当然ループに強い所です。
ゲームやアプリなんかでは曲をループさせることが多いので、そう言った部分の調整が非常に楽に出来るようになっています。
オーディオデータの切り貼りがやりやすい
ミックスの際にはオーディオデータの一部を切ったり、または違う場所に貼ったりする編集は珍しいことではありませんが、ACIDはオーディオデータの切り貼りが非常に簡単に行えます。
元々オーディオデータを扱うことをメインとしていたソフトなので、その辺に関しては特化したものを持っています。
リミックスに強い
ループや切り貼りに強いので当然リミックスの作業もやりやすいです。
特にACIDはピッチやテンポが自由自在に変更可能なので音素材の編集も容易です。
アシッダイズされていないオーディオデータでも「Beatmapperリミックスツール」によって簡単に取り込むことが出来ます。
とにかく操作が簡単
ACID最大の魅力はこれに尽きます。
とにかくオーディオデータをメインの画面にドラッグ・アンド・ドロップしてしまえばOKなのですから。
その他の操作についても他のソフトに比べると簡単で、私の感覚からすれば絵を描いているような感じで編集作業が出来る所が最大の魅力なのではと思います。
録音に関しても新規のオーディオトラックを右クリックでポンと作ってすぐに録音に移れるのは本当に手軽です。
どんな人に向いているか
リミキサー
リミックスがACIDを使う上では一番力を発揮するのではないでしょうか。
何せオーディをデータの編集に特化しているので、切り貼り、ループ、Beatmapperリミックスツールの恩恵を一番受けることのできるのでは思います。
ギタリスト
主にデモなんかを作る際にはかなり重宝するのではないでしょうか。
ドラムやベースなどの音素材を貼り付けて、ギターを録音すれば簡単なデモがすぐに出来ます。
繰り返したい場所が出来れば自分の弾いた音も含めて簡単に、そして自由に増やすことができるので作業時間を大幅に短縮できるのではないでしょうか。
ボーカリスト
歌入れの際にも非常に便利なソフトだと言えます。
例えばコンポーザーから渡されたオケのデータをACIDに貼り付けて、あとは歌うだけ。ボーカルデータの編集も非常に簡単に行えます。
操作が簡単な点もACIDの良いところなのでDAWに苦手意識を持っている人でも使いやすいソフトです。
ミックス、マスタリングエンジニア
リミキサーと同じくミックスやマスタリングにも非常に便利なソフトです。
視覚的にも編集がしやすいしオペレーションも非常に簡単です。
フィジカルコントローラーも使えるものが増えているのでエンジニアにとっても使いやすいソフトになったのでは、と思います。
ダンサー、ダンス講師、教育関係者
2012年から中学校の授業にダンスが必修となったのですが、このダンスというのはフォークダンスや社交ダンスではなくヒップホップなどの現代的なものとなっています。
既存の曲のミックスはもちろん、素材から簡単なダンスミュージック作成がDTM未経験の教師や講師でも比較的簡単に出来てしまいます。
もちろん価格が安いというのも大きいです。他のDAWはそれなりにお高いですし、操作が難しいものも多いですが、ACIDではそうしたストレスから開放されます。
教育関連に限らず、ダンスチーム関連の人はACIDを持っておくと何かと便利です。
個人的には「ACID PRO」をおすすめします
理由としてはまず価格です、現時点での価格が24,079円(税込み)とプロ仕様のDAWとしては破格の安さとなっています。
UIも一新され、非常にかっこよくなっており(もちろん性能も向上してます)創作意欲が湧いてきます。
実は見た目ってものすごく大事で、以前のバージョンまでは正直他のDAWに比べてUIがチープな点がしょんぼりでしたが、これで解消されました。
またMAGIX製のソフトシンセ、商業レベルのエフェクトプラグインバンドルも付いてくるので、コストパフォーマンス抜群です。
もちろんデモバージョンやライトバージョンじゃなくガチのやつです。
「ACID PRO10」を買うだけでさまざまなジャンルの楽曲制作がすぐにでも始められます。
終わりに
ざっと書いてみましたがACIDについてはこんな感じです。
私の場合は打ち込み以外のすべての作業においてACIDを使っていますが、バージョン6以降は本当に使いやすいソフトになったと思っています。
DAWベースでの音楽制作は便利にはなりましたが、やはり操作が難しい物が多く、初心者にとってはインストールして起動させたはいいものの、まったく使い方が分からずそのまま…と言った人もいるのではないでしょうか?
その点ACIDは使い方も簡単で、しかも本格的な制作にまで対応できるので、他のDAWでつまづいてしまった人は一度ACIDを試してみて欲しいと思います。
価格も他のDAWに比べるとかなり安い上に、仕事用としても十分扱えるレベルのスペックなので非常にオススメです。
私は現在においても半数以上のお仕事の音楽をACIDで作っています。
BGMにおいてはループ仕様を指定されることが多いので重宝しています。
音楽制作においてもっとも大事なのは「どんなソフトを使っているのか」ではなく「自分にとってどのソフトが使いやすいか」です。
アイデアを具現化するのに一番近道になるDAW選びが重要になってきます。
是非みなさんにもACIDの良さ、使いやすさを実感して貰えたらいいな、と思います。
という事で今回もお付き合い頂きましてありがとうございます。
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